3年前、107人が死亡、562人の重軽傷者を出したJR福知山線脱線事故で、奇跡的に生き残った大学生、山下亮輔さん(21)が『18歳の生存者-JR福知山線事故、被害者大学生の1000日-』(双葉社刊)を出版した。先日、東京・渋谷区の東京国際学園高等部で、生徒主催の特別授業として、山下さんは約50人を前に講演を行った。
「何から話そうか」と、杖をついて登場した山下さんはあまり年齢の違わない高校生を前に、3年前の事故について語り始めた。
「電車は倒れないものだと思っていた。3年前の4月25日、たまたま一番前の車両に乗ってしまった。車両が通り過ぎて、バックしてきた。これに乗らないと授業に遅れるし…。気付いたら、目の前が真っ暗だった。10人から20人の苦しんでいる声がしていた」「最初の6時間が辛く、孤独だった。脚の感覚がなく、痛みはなかった。(18時間後)救出され、体中に毒素が回り意識がなくなった。次に気付いたのはICU(集中治療室)だった」
リハビリでの辛さや痛さで初めて泣いたことや、自然に涙がこぼれて一生分泣いたことなどを淡々と語った。
母親との関係についても「今では家族のなかで一番仲が良い。喧嘩もせずに仲良くやっている」と話した。
山下さんの著書『18歳の生存者-JR福知山線事故、被害者大学生の1000日-』には、これまで語ったことのなかった恋人との別れについても書かれている。
「彼女はしんどかったんやろうな。今は友達として仲良くさせてもらってます」と、語る。
講演の後で「電車に乗るのは怖くないか」「事故を起こした運転士については」「事故を経験して何か変わったか」と、高校生からも山下さんに熱心に質問があった。
「事故の悲惨さよりも、この本を読んでもらって、悩んでいる人を支えてあげたい。この本を読んでくれた人の生き方が変われば」と、出版することを決意した理由について語った。
ZAKZAK 2008/04/28
地獄を見たでしょうね